レノンゾスハンター研究レポート -レシピ解説・前編-
それではさっそく各パーツの役割・シナジーについて解説をしたい。
前編となる今回は3マナまでのカードを扱う。
その前にレシピをもう一度おさらい。
合計13040ダストのこのデッキは、アドベ産の札も少なく非常にコストがかかる。
面白くはあるが強いわけではない。間違っても組もうなどと血迷ってはいけない。
気を取り直してマナ順に。
1マナ帯
・死にまね
最軽量の「断末魔トリック」カード。
ほかの「断末魔トリック」にも当てはまるが、何より強力なのは当然ながら「シルヴァナス」とのコンボである。ほかにも「ゲッパー」に当てて臨時の防壁にしたり、AoEを誘い出すために「ハイメイン」へ当ててもよい。
変わり種ではDKによって生まれた「ブロードバット+猛毒」に付けても強力。このカードなら[バ獣+死にまね+DKヒロパ]=10マナ。最軽量の面目躍如と言ったところか。
注意点は「キャスリーナ」。獣を敢えて絞ったこのデッキでは、彼女に「断末魔トリック」を当ててもいい結果が返ってこない場合がある。引きや盤面と相談しよう。
・追跡術
超優秀デッキ圧縮兼サーチ。ドローの乏しいハンターにのみ許された特権。
たいていの場合はその時その時にあった札を引いてこれる。仮に引けずとも単純なデッキ圧縮となりレノやンゾス、DKといった切り札の入手速度が上がる。
上記の効能も加味して使用タイミングとしては中盤がベター。終盤、死にそうなときにお祈りで撃ったところで一発逆転カードを引けないというのが正直なところ。
余ったマナで効果的に差し込み、今後の引きの潤滑剤としよう。
2マナ帯
デッキ圧縮兼序盤展開。
スタッツこそ若干頼りないが、このデッキにおいても彼は強力。
当デッキの秘策は強力なものと同時に、流行から少し外した読みにくいものも採用しているので、「マッサイ」から出現したそれらは間違いなく敵の行動を縛るぞ。
当然初手キープ。テンポ出ししても十分に活躍してくれる。
・ワンダリングモンスター
秘策。ハイパーバリューカード。
単純なバリューだけで言えば2マナ版「相棒」と呼んでも差し支えないほどのパワーを秘めたカード。
最序盤のボード奪取に向く他、「爆発の罠」と発動条件が一致するため、発動されないまま放置されても敵が横展開を渋る副作用も持つ。
時々3/1/1が出る。あきらめず戦えば活路が見いだせるかもしれない。
Maybe, Probably,Perhaps,However.
・毒牙の罠
秘策。流行ってるのかいないのかよくわからない一枚。
うまくいけば確定除去を放り投げることができる。
最序盤に仕掛ける、というよりは「マッサイ」から出てくるのを見るか、「ゲッパー」のお供として用いるのがよいだろう。
大切なのは除去を吐かせること。あるいは上手に強敵ミニオンにかみつくこと。
決してしょうもないミニオンを当て馬にされてはいけない。
・狙撃
秘策。確実に流行ってない一枚。
このデッキは序盤を確保できると本当に強い。それを助ける可能性があるのだから当然この秘策も強い。という持論。
特に厄介な挑発ミニオンを退けるのに有効。「ストーンヒルの守護者」はまさにカモ。
そのほか、ローグデッキのいやらしいカードを止めるのにも役立つ。
・放電レイザーモー
2通りの使い方ができるオールラウンダー。
半分ハズレみたいになっちゃったような小型バ獣、「ヴルム」の遺産やハイエナを強化して投げつけられる器用な恐竜。当然「ハイメイン」や「ヴルム」本体を強化して打点を伸ばしてもよい。
一方で、初手キープ推奨札でもある。再三いうとおり序盤が非常に重要なこのデッキでは、この強力ミニオンを「ラプター」にしてでも場の優位を維持したいのだ。
・死んだふり
大味な「断末魔トリック」。
正直なところで言えば二枚目の「死にまね」。複数人を巻き込んだ「断末魔トリック」は無理に狙うべきではないが、決まれば当然強力。
「ドクターブーム」との相性は光るものがある。どちらのBotも起爆させることができるため、RNG次第ではボードの優位を引き寄せることも可能だ。
「死にまね」同様に微不利を返す可能性と、複数展開できた際の優位をより強める効能、その二つを併せ持つカードと言えよう。
・速射の一矢
オールマイティ必須カード
ハンターの火力といえば外せないのがこれ。
重量級カードの多いこのデッキではあまり手札は枯れないため、単純に2マナ3点と見よう。
その用途は多岐にわたり、テンポデッキとの盤取り合戦、リーサルのお供、挑発の陰に隠れたシステムの狙撃、さらには「殺しの命令」と合わせて「ラグナロス」や「リッチキング」のキルまでこなせる。
デッキ全体を通して挑発に強く出られないので、そういった場面まで温存しておくのが吉。基本は武器やミニオンでトレード。間に合わないならこいつの出番だ。
3マナ帯
・イーグルホーン・ボウ
ヘルスはリソース、を地で行くゴリラ火力。
このデッキにおける武器の重要度は高い。支払ったヘルスを「レノ」が後で持ってきてくれるからだ。
どんどん殴ったあとで彼に泣きつく、そんくらいの気構えでばんばん使おう。
秘策とのシナジーもそこまで意識しなくてよい。殴りたいと思った時が殴り時である。
しかし顔殴りはリーサルやネクターンで詰めるシーンでない限り控えたほうが無難だろう。
・テラースケイルの追跡者
「レイザーモー」のような立ち位置のテクニカルカード。
三枚目の「断末魔トリック」カード。
横にミニオンが立つ、ということで、死にまね以上に横に広げる性能(≒AoE誘発力)が高い。
また初手に来たならテンポ出ししても活躍しうる。バニラスタッツには及ばないが、のちの「教授」や「シュレッダー」につながるなら丸儲けだ。
中盤はいまいちだが、序盤、終盤での活躍が期待できるカード。
・必殺の一矢
なるべくならお祈りで撃ちたくない一矢。
ビッグやランプのアンチカード。時にはコントロールが油断して出してきた単騎のシステムも射抜ける。
お祈りに関しては、挑発を越えがたいハンターにおいては生まれやすい、という体感。
「ここで当てなきゃ今後をどう想像してもゆくゆくは負ける」シーンなら撃ってもしかたないのかもしれない。翡翠の陰に隠れた「ファンドラル」とかそんな感じ。
・殺しの命令
「速射」に次ぐハンターの代名詞的存在。
用途はおおむね「速射」に近い。獣という制約だが、そもそも場もちのいい獣が採用されているほか、バ獣でも対応できるのでそこまで苦ではない。
「速射」、「キルコマ」どちらにも共通して言えるのは、ここぞ!という場面では出し惜しみせず撃てる勇気が大事という点。
「キルコマ」は確かに1枚しかないが、同じようなテキストの「爆発の一矢」も採用している。なんならバ獣で「パトコドー」を改造したっていいのだ。
替えは効く。思い切って撃とう。
・獣の相棒
バリューで攻める序盤の要。
初手キープ推奨の一枚。乱暴な言い方だが、それなりに拮抗したボードなら何出ても強い。
中盤以降に撃つなら明確な目的を持って撃とう。目当てが2/3で出るなら重畳。
正直なところを言うと、3マナ帯でアグレッシブなカードがこれしかないための採用という極めて後ろ向きなカード。なんかいい代案ない?
―――
以上がデッキのおよそ半分を占める、3コスト以下のカード紹介である。
コントロールであるために「いつ引いても戦えるカード」を意識すると、どうしても序盤のテンポだけを意識したカードが採用できない。序盤が大事とさんざん言ってるのにである。
さらに言えばキャスリーナやンゾスのバリューを下げないためにこのコスト帯に獣や断末魔を採用しにくい、という面さえある。
その辺の制約の中でうまいこと形にする妙というか、デッキ構築の難しさ・楽しさなんかを感じていただければとてもうれしい。
次回は花形のハイコストカードを紹介いたしましょう。
それでは~~~~